アムトラックで行くロスアンゼルス (Los Angels)

 

　出張でロスアンゼルスに行く。が、飛行機で行っても何の楽しみもないので、アムトラックで行くこととした。少々奮発し、個室寝台とする。


　アルバカーキ駅は夕方発であったが、途中の雪の影響で私が乗るはずの列車は相当遅れているようである。友人に駅まで送ってもらったが、駅員に３時間は遅れていると言われ、一旦アパートに戻る。

　２時間後、駅に行くと、さらに１時間は遅れていると言われた。アルバカーキにも雪が降り出し、列車が本当にくるのかどうか不安にはなったが、ともかく、時間をつぶすべくニューメキシコ大学近くのドーナツ屋に入る。

　時間になったので、車で駅に再度向かうと、「サウス・ウェスト・チーフ号」が入線してくるのが見えた。どうやら今度は丁度のタイミングであった。送ってくれた友人に別れを告げ、列車に乗り込もうとすると、乗車口のアテンダントに飯は食うか？と言われた。寝台車の客は食堂車での食事付きなのである。私は列車が遅れているというので、すでに夕食は済ませてきてしまっていたが、食堂車で食事をするなど滅多にない機会でもあるので、この日は２度の夕食を摂ることとなった。　

モハベ砂漠を走る。平らな場所なのだから真っ直ぐ線路を引けばいいようなものの、とにかく曲がりくねって走る

客室内。本来は二人部屋だが、私一人で占拠

山を下るサウス・ウェスト・チーフ号。バーストーからロスアンゼルスまではかなりの標高差

サン・ベルナーディーノ駅にて。ロスからの通勤列車、メトロリンクがここまで来ている

ロスアンゼルス駅にて。シスコからの列車も到着

ロスアンゼルス・ユニオン駅。南国っぽい駅である

　結局、ロスアンゼルスには７時間遅れで到着。すでに夕方である。何とも大陸的というか。とまれ、この日のロス観光の予定は全てご破算。明日は日本からのJETRO米国視察団に合流する予定である。今夜の宿はミヤコイン。リトル・トーキョーの北に位置するシティーホテルである。ユニオン駅からリトル・トーキョーは近い、ということで徒歩で移動する。

リトル・トーキョー、オニズカストリート。故オニズカ宇宙飛行士を偲んで付けられた

ロスの地下鉄。改札はなく、どうも乗客は無札で乗っているようだ

町中で見つけた廃線跡。ロスには至る所、このような風景を目にする。リトル・トーキョーの中にも一部線路の残っているところがある

視察団のエクスカーションで訪れたチャイニーズシアター

ご存じ、映画スターの手形、足形のあるところである

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1997_USA_%28Denver%29.html

　まずはコンパートメントに荷物を放り込むと、隣の食堂車に向かう。メニューは至ってオーソドックスなステーキにフライドポテトの付け合わせというものであった。車窓は真っ暗で何も見えず、また、時間的にはかなり遅くなっていたので、食堂車の客はわずかに数人しかいなかった。

　部屋に戻ると、通りがかりの親子連れに部屋の中を見せてくれと言われた。多分彼らは座席車の客であろう。


　朝、起きてみると、砂漠の中を列車は走っていた。時間通りなら朝にはロスアンゼルスに着いていなければならない。相当列車は遅れて走っているようである。

　とにかく、朝から昼過ぎまで全く変わらない乾いた風景の中を走る。途中、列車の写真を撮る人も見受けた。実はアメリカは世界でも鉄道ファンの多い国である。アメリカの開拓史は鉄道と共にあったことがレイシャルメモリーになっているのかも知れない。