アルバカーキの町・市内名所見物その１

ニューメキシコはアメリカのその他の州と比べると、かなり異質な感じがするかも知れない。州都のサンタ・フェもそうでありが、アルバカーキにしても一般の民家はかなり印象的なデザインのものが多い。多くの建物が台形をしているが、これはネイティブアメリカンの建築様式（プエブロ・スタイル）をモディファイしているものなのである。

　アルバカーキの町は大きく分けて二つの部分から成る。リオ・グランデ川に彫り込まれたダウンタウン、そして河岸段丘上のアップタウンである。ダウンタウンにはニューメキシコ唯一の高層ビル群が建ち、ビジネスセンターとなっている。が、あまり治安は良くない。長距離バスの到着するバス・ディーポの周辺は特に怪しい雰囲気が漂う。アルバカーキには鉄道も通っており、アルバカーキ駅はダウンタウンのはずれにある。駅に至っては、治安の善し悪しもないだだっ広い平原にぽつんと小さな駅舎があるだけである。

これが旅客駅。言われなければ駅と気が付かないだろう。この駅とは対照的に、広場の南にはサンタ・フェ鉄道（貨物）の大きな駅舎がそびえ立つ。後年、通勤鉄道がこの路線を走ることになり、駅は大規模再開発されこの写真の駅舎を見ることはもう出来ない。

駅まで列車を見に来たヒスパニックの母子。庶民にとって列車の旅は高嶺の花

新型機（ジェネシス）牽引の列車、サウス・ウェスト・チーフ号。シカゴからロスまで２泊３日で走り通す

列車は１日に１本。このときだけは駅もにぎやかになる

客車はオール２階建てのスーパーライナー編成。アルバカーキは途中駅ではあるが結構乗降はある

シカゴに向けて走り出したサウス・ウェスト・チーフ号。終着駅到着は明日の夕方

　ダウンタウンよりさらにリオ・グランデ川に近いところに、アルバカーキ発祥の地であるオールドタウンがある。ここは恐らくはアルバカーキで唯一の観光スポットであろう。まさしくアメリカ大西部の昔の町並みがそのまま残されているところである。おみやげ屋さんは数知れず。ネイティブ・アメリカンの民芸品を売る店や、インディアンアートや絵画を並べるギャラリーも多い。オールドタウンのアーケードでは、毎日のようにアクセサリーを売るネイティブ・アメリカンの姿を見ることができる。本格的なメキシコ料理を食べさせる店もある。とにかく、ニューメキシコの人はメキシカン料理が好きである（私も辛い料理が好きなので、これは大賛成）。

オールドタウンのアーケード。いつも観光客で溢れている

西部劇に出てきそうな建物。今は民芸品屋になっている

オールドタウンの中心、サン・フェリペ・デ・ネリ教会。実に1706年建立の（アメリカでは）非常に古い教会である

インディアンアートでは、陶器や革製品が代表的

　アルバカーキは西に開けており、リオ・グランデ川の河岸段丘を上ると大平原が広がっている。I-40に沿って走る旧国道66号線を西に自転車で走ると、やがてマウントテイラー（3444m）を望むところに達する。ここの地名はロスト・ホライズン。まさに地平線果てるところである。ここから先は66号線はI-40に吸収されてしまい、この先には自転車で進むことはできない。