フランスにもごく少数ながら私鉄が走っています。プロヴァンス鉄道（ＣＰ）も勿論その私鉄に入ります。この鉄道の一部区間では蒸機の運転も５月から１０月までの日曜日に一部区間（Puget-Theniers Annot間）で行われています。鉄道の詳しい情報は「http://www.chez.com/gecp/」を見て下さい。

　ＣＰニース駅は国鉄ニース駅からは北に少々離れていますが、歩いても１０分ほどで行ける程の距離です。旧ＣＰニース駅は元々はAvenue Malaussenaに面した教会を思わせる壮大な駅を持っていましたが、今はその駅は巨大な廃墟となっています。現在の駅は旧駅の裏手になります。

　路線はニースから南プロヴァンスの渓谷沿いを走り、終点のディニュまでおよそ３時間半弱で走ります。路線長を考えると軽便鉄道にしてはかなりの速度です。ニースから最初の小一時間は大した風景もないのですが、La Vesubie駅を過ぎたあたりから、Le Var川の谷底を走るので、なかなか楽しい風景となります。ニースから列車に乗る場合、できれば進行方向左側の席がお勧めです。Le Fugeret駅を出ると、高度を稼ぐためのオメガならぬヘアピンカーブがあり、この鉄道の見所のひとつとなっています。その次のMeailles駅を出ると長いトンネルに入りますが、ここがどうも分水嶺のようです。沿線にはプロヴァンスの小さな村々が次々と現れ、なかなか雰囲気の良い路線です。

　終点のディニュはもともと国鉄との乗り換え駅だったようですが、当の国鉄線の方は廃止（休止？）されていて、ＣＰは国鉄駅のホームに入線するようになっています。元々のＣＰディニュ駅は国鉄駅の向かいにありますが、こちらは廃墟になりつつあるようです。駅前からは国鉄St Auban駅行きの連絡バスが出ており、エクサンプロヴァンス方面やグルノーブル方面、ブリアンソン方面に出ることができます。

　Digne駅は町（Digne les Bains）から離れたところに位置しており、町までは歩いて１０分ほどです。

　ダイヤは、Annotを発着する区間列車が朝晩１往復ずつ、あとはNiceとDigneを往復する列車が一日４往復あります。時刻表は上記のＨＰでも分かりますし、トマスクックの時刻表にも掲載されています。この線は私鉄なのですが、フランスレイルパス提示で５０％、ユーロパス、ユーレイルパス提示で２５％の割引が受けられます。一方、Digneからの連絡バスは国鉄バスなので、各種フリーパスがそのまま使用できます。