リヨンで見掛けたCivisシステムを搭載した（現在はまだ未使用）トロリーバス・クリスタリス。車内はトラムそのもの。バスとは思えない。連接型もある

友人の家のベランダからの風景。トラムが目の前

　リヨンから車で南下すること１時間、葡萄畑の広がる南斜面が見えてきた。このローヌ川の河岸段丘に広がる場所がコート・デュ・ローヌの産地である。当初、コート・デュ・ローヌの中心地、コンドリューまで行こうと考えていたのだが、その手前にあるトゥパンの丘の景色が良さそうなので、トゥパンの集落まで上がってみた。

ローヌ川の河岸段丘に広がる葡萄畑。今年は猛暑でワインにとっては最高の気象条件

トゥパンの丘にある教会堂。隣には景色の良いレストランもある

アンピュアの町。町の至る所にワイン販売所の看板を見掛ける

TGVで空港まで戻ってきた

　トゥパンでは、少々悪いと思いつつ葡萄畑に入ってたわわに実る葡萄の味見をしてみた。普通はそれほど甘くないワイン用の葡萄であるが、今年に限ってはものすごく甘い。猛暑の年はワインの当たり年とも言うが、どうやら今年はそれに当てはまるようである。

　トゥパンの隣町のアンピュアは比較的規模が大きく、ワインセラーもある。その一軒に入り、ワインを今回の旅行の土産とすることにした。店には客は誰もいなかったが、店の主人は我々のために惜しげもなく試飲をさせてくれた。今回の私の収穫は９４年のサンジョゼフのルザンジェである。来年フランスに来たときには勿論０３年の新酒を買って帰るつもりである。

　ついに、リヨンを離れる時間となった。今までずっと付き合ってくれた友人には感謝のしようもない。またいつか会うことを約束して私は新幹線に乗り込んだ。

エピローグ

　こうして、１０日間のフランス滞在を終え、日本に戻ってきた。帰国後入手した話では、何と８月６日からモンブランのグーテルートが閉鎖されたというのである。恐らく、あの巨大クレバスが拡がってしまったからであろう。いずれにしても、我々があまりに幸運であったことをその情報を聞いてから認識した次第である。

　山に登っている最中は、もう登山はやめよう、とばかり考えていたが、いざ下山してみると、もう次にどこの山に登るかを考えている。山とは恐ろしいものである。さて、今年の残りの山行はと・・・。

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