港湾都市、チヴィタヴェッキア（Civitavecchia）
カターニャからの夜行がローマに着いてから、その日の夜の飛行機までどのように時間を使うか車中でずっと考えていた。見事に何の予定も立てていなかったのである。一応ローマ市内のガイドブックは持ってきてはいるが、その気になればいつでも来られるローマを廻っても面白くない。かといって、その周辺都市の情報は今回は全く持ち合わせていない。
ローマ郊外にチヴィタカステラーナという中世都市があることは知っており、そこへ行こうとも考えていたのだが、その町に行くには一日数本しか走らないローカル私鉄を使わねば行くことが出来ない。その日の夜には確実に飛行機に乗らねばならぬことを考えると、鉄道ダイヤも分からない奥地に冒険しにいくわけにもいかない。まず第一に、その私鉄の発駅を知らないのである。最終日はとにかく時間を効率的に使わねばならない。次に考えたのが、観光地としても有名なティボリである。が、ここも列車のダイヤが分からない。
結局、いろいろ考えているうちに、列車は終着駅のローマに着いてしまった。ともかく、邪魔な荷物を駅地下にある一時預かりに預け（コインロッカーが封鎖されているので、ここはとてつもなく混雑していた）、駅に貼ってある時刻表を眺めた。と、ほぼ毎時間に１本、チヴィタヴェッキアという町に列車が出ていることに気が付いた。地図で場所を確かめると、海に面した町で、地中海各方面へのフェリー基地となっているらしい。
ＦＳの２階建て通勤電車。落書きされにくい塗装がなされているようである
早速、駅の自販機でチヴィタヴェッキアまでの切符を買い、列車に乗り込む。列車はここ数年増備が進んでいる２階建て通勤電車である。
列車はローマ近郊まではこまめに駅に停まっていくが、そこから先は殆ど駅もなくなり、快調に走る。もう少しで終点、というサンタ・マリネラに近づくと海が見えてきた。今日も雲一つ無い快晴で、実に眺めが良い。
チヴィタヴェッキアの駅は海からほど近いところにある。駅前の広場の先には道路を隔てて砂浜が広がっている。その砂浜には多くの人が日光浴をしている。が、今日は９月の半ばだというのに猛烈に暑く、海で泳いでいる人も多い。砂浜から少し北に歩くと、ミケランジェロ要塞と地中海航路のフェリー乗り場がある。フェリー乗り場には大型のフェリーが何隻も接岸している。ミケランジェロ要塞は見学が出来るのだが、イタリアはどこでもそうだが長い昼休みのため、今回は中に入ることが出来なかった。
チヴィタヴェッキアの町もとりあえず一通り見たので、そろそろローマに戻ることとする。とにかく、お昼過ぎのイタリアはどこに行っても観光施設は閉まっているので、行動不能に陥りやすいのが難点である。
チヴィタヴェッキアの駅
結構透明度の高い海
チヴィタヴェッキアの町
ミケランジェロ要塞。この隣にｉもあるが、やはり長いお昼休み中
チヴィタヴェッキア港。中央の防波堤には中世の要塞がある
要塞前駐車場にフィアット500が大集結
港にほど近いところに位置するドゥオーモ
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