今回の渡航も業務渡航である。行き先はフィンランドのトゥルク。大規模な学会のため、宿の確保に非常に苦労した。出発４ヶ月前ですでに市内の主なホテルは満室。ほぼ毎日空部屋チェックをし、結局ホテルの予約が出来たのは出発１ヶ月を切った頃であった。ここまで宿の確保に苦労したのは初めてである。

　が、出てきた部屋は比較的リーズナブルで（朝食込み８７ユーロ）、昨今のユーロ高を考えても許容範囲内である。今回はこのホテルに５泊する予定となっている。初日はフランクフルト経由のため、ヘルシンキヴァンター空港到着が１１時近くである。そのため、空港地下にあるホテルにも予約を入れていたが、このホテルを予約した時、ユーロが市場最高値をつけた日で、一泊２万というバカ高い宿泊代となってしまった。今回の旅は、とにかく出費に気をつけながらの旅となってしまった。

　日本からのフィンエアー直行便が使えれば良かったのだが、成田からは隔日にしかフライトがないのである。到着日指定なので、遠回りを余儀なくされたのである。というわけで、日本から１６時間かけてのフライトとなった。それにしても、私の乗る日本発着の飛行機はいつも満席である。今まで何十回と乗っていてもシーズンに関係なくこのような状況であるから、余程私と空席の多いフライトとの相性が悪いのかも知れない。

　ヴァンター空港のホテルに到着したのはすでに夜１１時を過ぎていた。このホテルは空港の地下１階にあり、確かに便利ではある。当たり前ではあるが、地下なので室内に窓などはない。カプセルホテルに毛の生えた程度のホテルである。ともかく、長時間フライトの後なので、すぐ寝ることとなった。翌日はちと企みがあり、朝６時には起き出さねばならない。

　翌日、ネットで空港発トゥルク行きのバスがあることを確認していた。が、実際にバス停へ行ってみるとトゥルクという行き先がどこにもない。誰かに訊こうにも廻りには誰もいない。まだ時間が早いのである。ふとバス停の反対側を見ると、一台のバスが客を乗せている最中である。近づいてみると、ヘルシンキ行きのフィンエアー空港連絡バスである。ここで、急遽予定を変更。このバスに乗り、ヘルシンキで列車に乗り換え、それでトゥルクへと向かくことにした。相変わらず頭の切り替えは早い。というか、予定通りに行かないことを気にしない性分なだけなのだが。

　バスに乗る時に料金を払うシステムとなっている。町までは５.２ユーロ。この料金は許容範囲内であろう。３０分も乗車するとヘルシンキに到着。市内に入ると道という道に軌道が走り、トラムの勢力が強いことを実感させる。

　バスはヘルシンキ中央駅に到着。それにしても、駅の周辺は大変なゴミの散乱。一体誰が捨てたのかと云うくらいゴミだらけである。世界各地を旅しているが、これほど道にゴミが落ちている町は初めてである。ともかく、駅に入り、トゥルクまでIC2の切符を購入。２６ユーロ。片道１３５キロの旅程を考えるとかなり高い。

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